「詩吟」ってなあに?

詩吟の歴史

詩吟のルーツは『古事記』や『日本書紀』の時代にあるといわれます。平安時代には貴族のあいだで漢詩や和歌を詠む朗詠(ろうえい)が盛んに行われ、その後、武将や僧侶にも漢詩や和歌を作る文化が広がりました。昭和に入ると和歌を詠う朗詠も盛んになり、漢詩・和歌の朗詠が老若男女に親しまれるようになります。戦後に停滞した時期もありましたが、経済復興とともに多くの新しい流派が誕生し、吟詠人口が飛躍的に増加しました。

詩吟の特徴

詩吟は吟詠とも呼ばれる、 詩に節をつけて歌う邦楽のひとつです。お子さんからご高齢の方まで楽しめる日本人の心を歌う伝統芸道です。漢詩と和歌のほかにも俳句、新体詩、現代詩など、どのような詩でも吟ずることができます。吟詠家は詩の内容をとらえ、歌によってその心情や情景を再現しようと心の底から吟じあげます。詩の作者の気持ちが読み取れることが吟詠家の力量の高さを表します。吟詠を聴くときには、吟じられる詩の意味や背景を知っているほど楽しめるでしょう。また、詩吟などで大きな声を思いっきり出すと気持ちが高揚して健康にも良いことがわかっています。声を出すことで、気分転換やストレスの解消につながる効果があり、音楽やカラオケと同様に、心身をリラックスさせて脳の潜在意識に働きかけ、脳を活性化する効果もあるようです。